歯が命の日 8月1日

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 女性にとっていつまでも若々しい印象を与える重要なパーツが口元。キラキラ輝く白い歯やいきいきした張りのある笑顔は、魅力を一段と引き立ててくれます。そこで日本経済新聞社 メディアビジネス イベント・企画ユニットでは、丸の内キャリア塾の「歯が命の日」恒例スペシャルセミナーを東京・大手町の日経ホールで開催(協賛・サンギ)。「美人をつくる口元習慣! 健康で美しく生きていく」をテーマに、歯科医師と人気美容家が美しく健康的な口元を維持するためのオーラルケア習慣や、年を重ねても輝き続ける秘訣などについて解説くださいました。

美容家

朝食前のお手入れをルーティンに

君島 十和子氏 Towako Kimijima
1966年東京生まれ。FTCクリエイティブ・ディレクター、美容家。2人の娘をもつ母。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、結婚を機に芸能界を引退するも、美容への意識の高さが各女性誌で取り上げられる。現在はTVや雑誌で活躍しながら、自身のSNSでも飾らない等身大の姿やファンに寄り添う配信が好評。

子どもの頃から歯を大切にされていたことや、ご自身のオーラルケアのルーティンやこだわりの愛用アイテム、また日々のスキンケアや美容法についてなど、たくさんの興味深いお話をいただきました。

高輪歯科 院長

ミネラル補給でエナメル質を若々しく

加藤正治氏

加藤正治氏  Shoji Kato
1990 年東北大学卒業。歯学博士。98 年、高輪歯科(診療部門)開設と同時にハイドロキシアパタイトによる歯のケアに関する臨床研究を開始。歯科医療従事者を対象にした講演会・セミナー・執筆活動を国内外で積極的に行っている。診療室では一人ひとりのリスクを分析した「未来の健康」を発信している。

 もっとケアしておけばよかったと後悔しているパーツは何ですか──。女性への意識調査で最も多かったのはスキンケアですが、同様に多かったのがオーラルケアでした。抜けても毛母細胞がある限り生え替わる髪と違い、歯の表面を覆うエナメル質は1度完成したら再生が利きません。

 コロナ禍以来、様々な口中トラブルで歯科医院を訪れる方が増えました。むし歯のほか、自宅でのテレワークがストレスになってかみしめ癖が付いて歯が痛くなったり、マスク生活で口呼吸が増えた結果、唾液の循環がうまくいかず歯の着色や歯周病が悪化する方も来院されました。

 歯の3大疾患というと、むし歯、酸しょく、そして歯周病です。むし歯と酸しょくは似ていますが、前者はむし歯菌が出す酸で歯に穴が開く現象。これに対して後者は食べ物や飲み物自体の酸性度によってミネラルが失われ、歯が溶ける現象です。
 エナメル年齢という言葉をご存じでしょうか。エナメル質は、そもそも細胞がないので老化せず、大事に使っている限り年を取りません。逆に言うと、いたわり方しだいで実年齢以上に個人差がつきます。例えば、色が違ってきます。酸しょくやすり減りで歯の形が変わります。表面の荒れ具合や質感、滑らかさや光沢などでも大きな差がついてくるのです。

 では、エナメル質に年を取らせないようにするにはどんな手入れをしたらいいのか。ヒントはスキンケアです。歯科医院では肌の手入れと同様にクレンジングで汚れを洗い落とし、一本一本の歯に丁寧にミネラルを補給。表面を滑らかにトリートメントし、最後にパックを行います。しっかりと整えた歯の表面は、まるで美しい肌の顕微鏡写真を見るようです。

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 ミネラルトリートメントはむし歯や酸しょくを修復するだけでなく、エナメル質を滑らかにすることで歯垢(しこう)を付きにくくします。着色もしにくくなり、光沢や明度、白色度もアップします。

 歯周病は細菌との闘いなので、喫煙や仕事のストレス、不規則な睡眠・食生活なども大敵。誤ったブラッシングやかみしめ、食いしばりも歯ぐきが下がる原因になるので注意が必要です。

 そして最後に自分に出来ることは毎日の歯みがきでその日に失ったミネラルはその日のうちに取り戻すことです。歯にミネラルを補給し、いつまでも白く輝く歯を維持してください。